「退職する前に初任診断を受診したのはいいけれど、社風が合わず退職することになった。幸い、別の運送会社に勤めることになったが、そこでも初任診断を受診して欲しいと言われた。」

トラック運転手で転職をする方は多いので、このようなケースはよく耳にします。初任診断を初めて受診したときは、それなりに楽しかったかもしれないけれど、何度も…となるとさすがに嫌になりますよね。

そこで、初任診断を直近で受診したとき、改めて受診しなくてもいいケースはあるのかどうか紹介していきます。

1.初任診断を改めて受診する必要はある?ない?

初任診断を受診するには、トラック協会から助成金が支出されるとはいえ、全額補助してくれない都道府県トラック協が多いので、手出ししなければいけないことがほとんどだと思います。

だから、初任診断を受診しなくてもいいのであれば受診したくない(させたくない)と思っている人は多いです。では、どのような条件に該当すれば、改めて初任診断を受診しなくてもいいのでしょうか?

その答えは「貨物自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の指針」に書いてあります。

運転者として常時選任するために新たに雇い入れた者であって当該貨物自動車運送事業者において初めて事業用自動車に乗務する前3年間に初任診断(初任運転者のための適性診断として国土交通省が認定したもの。)を受診したことがない者

「入社する前、3年間に初任診断を受診した者は、入社時に改めて受診させる必要がない」と書かれてします。

ただし!

受診したことを第3者(巡回指導・行政監査等)に証明できる状況にあることが条件です。そもそも、適性診断を受診したらそれで終わりというわけではありませんよね。

自らの”運転のクセ”を知り、気づきを得るだけでなく、運行管理者も把握し、今後の社内教育にも活かす必要があります。なので、前3年間に初任診断を受診したというのであれば、当時、受診した診断結果を転職先の運送会社に提出する必要があるのです。

2.再発行するためにはどうしたらいい?

初任診断を受診すると①個人控え用と②会社控え用の2部もらうことができますが、①の個人控え用を所持している運転者も少ないはずです。

…なので、初任診断を改めて受診しなくてもいい条件を揃えるためには、受診結果表を再発行する必要があります。

ちなみに、再発行の価格は、自動車事故対策機構が300円なので、他の実施機関も同じくらいの価格で手続きをしてくれるはずです。

なお、再発行するために知っておきたいのは、

① 基本、再発行の手続きができるのは受診した本人
② 氏名・生年月日等聞かれる
③ 300円の費用がかかる
④ 受診した団体名を思い出す

ですね。

②は絶対に聞かれますし、受診データはそれぞれの団体が管理していますので、トラック協会で受診したのであればトラック協会へ、自動車事故対策機構で受診した場合、自動車事故対策機構に問い合わせていただくことになります。

3.受診表は個人控えでも会社控えでも問題なし

適性診断の受診結果は「個人」と「会社」控えがありますが、どちらでも問題ありません。ただし、教育のことを考えると再発行を依頼した場合は、会社控えを転職先の運送会社に渡しましょう。

なお、宛先を見ると、会社名が前職の名称になっているのですが、転職先の会社名でなくても問題ありません。

要は「前3年以内に初任診断を受診した」という証明さえ、あればいいのです。

4.65歳以上の高齢運転者が転職した場合はどうなる?

65歳以上の高齢運転者が転職した場合、本来、初任診断ではなく適齢診断を受診をすることになります。

貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について
運転者として新たに雇い入れた者が65才以上である場合には、適齢診断を受診させ たことをもって、初任診断とみなして差し支えない。

では、転職してきた65歳以上の高齢運転者が、前3年以内に適齢診断を受診していれば、その受診結果をもって受診してとみなされるのかといえば…残念ながら、みなされません。

初任診断のような特例がないので、適齢診断を前3年に受診していたとしても、転職したら、改めて適齢診断を受診する必要があるというわけなんですね。

まとめ!

初任診断を受診したら、個人控え用は大事に自宅に保存しておくことをおすすめします。そして、何かあったときに活用するといいでしょう。

運送会社が個人控え用も回収するのであれば、事前に個人控えのコピーをもらうといいですね。コピーでも受診したという証明になりますので。